徒然なるままに

日々の書き連ね。簡単に言うと公開日記

楽園追放2.0 楽園残響―Godspeed You― を読んだ

この本は劇場3Dアニメ「楽園追放」の小説作品です。タイトルに「2.0」、「楽園残響」とあるように、この小説は劇場版の後日談の話になります。この小説は楽園追放の世界を広げてくれる、最高の小説でした。

 

 

あらすじ

楽園はジェネシスアーク号の破壊を諦めてはいなかった。何度も破壊を試みるが、そのたびに妨害を受け失敗する。楽園はこれを、フロンティアセッターの複製体が存在すると断定。その捜索のためにアンジェラバルザックの複製体が製造される。別の場所では、楽園の下級市民3人がフロンティアセッターの複製体に出会う。

感想

この小説を読んでいて楽しかったのは、下級市民であった「ユーリー」「ライカ」「ブラウン」が宇宙を目指すためフロンティアセッターと結託して楽園を裏切るところでした。そしてそれぞれの葛藤とか気持ちみたいなところも物語を面白くさせてくれました。ただ、まさかジェネシスアーク号乗り込むとは全く想像できませんでした。劇場版だけを見ていて、フロンティアセッターが人類の代表なんだなって思い切ってしまっていたので、この展開は結構好きです。

後は最後の展開なんかは大好物でした。あそこで、オリジナルアンジェラを登場させるのはずるい!そして泣ける。やっぱりどこかで救われてほしいと思ってしまいました。この辺りはぜひ読んでほしいな。

 

劇場版の楽園追放は見たことあるけど、これは読んだことないよって人はぜひとも読んでほしい。絶対楽しめる。この物語を読むことで絶対、「楽園追放」の世界が広がります。

 

※2020/07/16 追記 SF的な観点

SF的な話だと、電子生命体である楽園でも低級市民だと肉体の方がより高解像度でより多くの情報を享受できたり、オリジンが現存していても、その複製できたりとなんだかディストピア感を感じます。やっぱりSFとディストピアは切り離せない関係なのでしょう。

楽園も先行者がほとんどのメモリを占有し、後から産まれてきたものは残されたメモリを奪い合うだけ、楽園で役割が持たなければそのメモリは没収され他の者の物になる。悲しい世界ですね。アンジェラだけを見ればそんな世界の片鱗なんて描写されてませんでした。ディンゴが楽園に誘われた時に軽く言っていたぐらいかな?しかし、それもこう描写されると自ら楽園なんて自称してるわりと言うか、自称してるからこそなのか、ろくなもんじゃないですね。あの世界には「荒廃した地球」「楽園 ディーヴァ」「ジェネシスアーク号」の3つの世界がありますが、どれが一番楽園になんですかね?こんな事を書いてあると、まるで死が救済のようにも感じてきます。人間にとっての一番の恐怖なのにね。

あぁこんな事、寝入る前のベッドで書くんじゃなかった。明日は、寝不足だな・・・